小児の発熱について

[画像]小児の発熱

お子さんが熱を出して、ご家族が心配されることは日常生活で多いと思います。
小児科を受診する子どもさんの症状の中で、発熱は、せき、鼻水、下痢、嘔吐などとともに最も多い症状の1つです。
一般的には、熱の高さが必ずしも病気の重症度と比例するとは限りません。熱が出た時は、熱の高さだけではなく(但、熱を定期的に測って記録することは大切です)、食欲(哺乳力)、顔の表情、機嫌、皮膚・口唇の色など全身の状態の観察が大切です。

発熱時の対応

  • 熱が高い時は、脱水症状を防ぐため、適度に水分の補給を心掛けて下さい。
  • 汗をかいたら、体をふいて清潔にして、着換えて下さい。
  • 解熱剤は、元気があれば必ずしも使用しなくても結構です。(解熱剤の使用の有無に関わらず、全身の状態の観察はしっかりして下さい)
  • 発熱の原因は色々ありますが、生体防御反応として合目的に発熱している面も考えられるため、解熱剤の乱用は避けましょう。
  • 発熱児が、高熱でグッタリしてきた場合は、解熱剤を使ってみて下さい。
  • 使用する解熱剤は、原則としてアセトアミノフェン製剤(アンヒバ坐薬、アルピニー坐薬、ピリナジン、カロナール等)のものを選びましょう。
  • 頭部を冷やしてもらうのも結構です。腋窩やソ径部を冷やすのも効果的です。但、本人が嫌がるようなら無理にやらなくてもいいと思います。

発熱時の注意点

以下の場合は早めに医療機関を受診しましょう。

  • 乳児の発熱(特に生後6ヶ月未満の赤ちゃん)
  • グッタリして、元気がない場合
  • 表情がうつろで、起きていてもウトウトしているような場合
  • 顔色、口唇色が悪い時
  • 泣き方がいつもに比べて極端に弱々しい時

発熱時のけいれん

このような場合の殆どが熱性けいれんで、けいれん時間も5分以内に終るのが通常です。但、5分以上経過してもけいれんが持続している場合は、中枢神経系などの疾患も考えられますので、直ちに医療機関を受診しましょう

以上、発熱について記載しましたが、色々な疾患や状況がありますので、疑問な点があれば、かかりつけ医にご相談下さい。