感染性胃腸炎警報が発令されました

 [2016/12/15]

感染性胃腸炎警報が発令されました

愛知県では「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に基づき、県内の小児科を標榜する医療機関のうち182カ所を定点として、感染性胃腸炎をはじめとする各種感染症の発生動向調査を実施しています。

この調査結果によりますと平成28年第49週(12月5日から12月11日)に国立感染症研究所が定める警報の指標を上回っていることから、感染性胃腸炎警報が発令されました。

感染性胃腸炎について

感染性胃腸炎はウイルス、細菌、寄生虫などによって引き起こされる胃腸の疾患で、1年を通じて発生がありますが、例年、秋から冬にかけてノロウイルスをはじめとするウイルスによるものが多く発生します。

症状は原因となる病原体により異なりますが、発熱、下痢(水様便、血便など)、悪心、嘔吐、腹痛などが見られ、これらの症状が単独または、複数の症状が様々な組み合わせで現れます。

なお、幼児、高齢者、基礎疾患のある方ではまれに重症化する場合があるため、注意が必要です。

ウイルスによる感染性胃腸炎は、ウイルスが口から入ることにより感染しますが、ノロウイルスは特に感染力が強く注意が必要で、食物や水に含まれるウイルスだけでなく、患者の便や吐物に含まれるウイルスによる二次的な感染があります(空気中に舞い上がったウイルスによる感染もあるとされています)。

予防について

ウイルス性の感染性胃腸炎の場合にはワクチンがなく、特異的な治療法もないため予防が大切です。

感染予防及び食中毒対策としては、次のことが推奨されます。

  • 1)食事前、用便後、帰宅時などに手洗いを励行する。
  • 2)加熱が必要な食品は十分に加熱する。
  • 3)患者の嘔吐物や糞便は、手袋・マスク・塩素系消毒剤などを使って適切に処理する。
  • <嘔吐物や糞便の処理方法>
    • 処理する人は手袋とマスクを着ける。
    • 塩素系消毒剤(次亜塩酸ナトリウム)を含ませた雑巾等で静かに拭き取る(しばらく覆っておくことも有効)。
    • 嘔吐物等があった場所を中心に、塩素系消毒剤で広めに濡れるように消毒する。
    • 使った雑巾等はビニール袋に入れて密封して捨てる。
    • 処理後には十分に手洗いを行う。

    症状が現れたら速やかに受診しましょう。治療は安静と対処療法となります。

     

    感染性胃腸炎(ノロウイルス等)の予防啓発リーフレット